黄修平(Adam Wong)監督の「When Beckham met Owen」は前評判がよく、チケットは二週間前に購入しておいた。香港アジアフィルムフェスティバルの一環として先行上映され、映画館に入ると上映後に監督との質疑応答の時間が用意されている事がアナウンスされた。
陳果監督が家庭用ビデオで「人民公厠」を撮影した事があって韓国とインドのパーツが面白かったけど、この映画も家庭用ビデオで撮影されている。フィルムの持つ情報量は絶大だけど、全ての映画にそれだけの情報量を持った画が必要だとは限らないと思う(映画・Full Frontalを見てそう思った)。
中学一年生のサッカー好き少年の友情の物語。友情というよりも日常をそのまま淡々と撮影しようとした様だ。同性愛的な片思いの話しが後半のメインになるけれど、そういうネタを入れておかないと出資を得られなかったのだと思う。
普通の大人が中学生を主人公にして話をつくるとすると、自分の過去を懐古するしか方法は無い。現実社会の今の中学生とはほとんど接点がなく、何を考えているのか分かりにくいと思う事もある。監督は絵画教室を開いているそうで、主人公の年頃の子供達と日頃から接触があり、子供たちに対する演出は自然だった。主役の二人もそこの生徒さんだそうだ。
主人公達が通う中学校の先生に卒業生が会いに来るシーンがあって、先生が当時没収した玩具のピストルを卒業生に返すシーンがある。でも卒業生はそのピストルを覚えていない。監督からそのシーンについて「本当に忘れたのか、忘れたふりをしているだけなのか、どう思いますか」と問いかけがあった。